マッチをすって、ろうそくを灯す。火を移して、焚く。お鈴を鳴らして、手を合わせた。
 くゆる煙が、鼻をかすめる。いいにおい。
 お線香は、火種としては頼りない。小さな紙片に押し当てても、歪にまあるく焦げるだけ。すると、
 火遊びはやめなさい、
 そんな声が聴こえたようで。
 それで、ろうそくの火を手であおいで消した。お線香と、マッチと、それから新聞紙。
 燃やせなかった小さな紙片と一緒に持って、縁側から庭に出る。
 箒で集めてあった落ち葉を、ぎゅっと絞って作った新聞紙の薪で、火をつける。
 焚き火の真ん中に、お線香をそっと置いた。くゆる煙。いいにおい。
 そうして、小さな紙片をひらりと落とす。
 紙片は、一枚の便箋を、小さく、小さく、折りたたんだもの。
 伝えたいことはいつも、一言。
 みるみる燃えて、灰になる。
 空へ昇る。
 
 いつかいつか。
 そういう未来が、来るかしら。