日々

 白いご飯と、お麩と三つ葉のおすいもの。茄子の煮びたしに、大根おろしを添えたたまごやき。小皿にかぶのおしんこを二切れ。魚は鮭、少し焼きすぎてしまって皮が焦げているもの。
 いただきます。
 そんなありふれた、いつもの食卓を前にして、手を合わせた。
 箸がそれに伸びるのを見たので、焦げちゃいました、そう悪びれなく報告すれば、この程度焦げたうちに入りませんよ、と返された。ううん、そりゃあまあ、食べられますし。某方々の作る真っ黒いスコーンを思い出したのか(既にわたしも思い出していたので)幾ばくか――正直に言えば、相当に――眉間に皺が寄っている。くすりと笑ってしまった。
 すると、なんで笑うんですか、笑えませんよあのスコーンは、いえある意味笑えますけどね。そんな風に容赦無く畳み掛けられた。今頃某方々はくしゃみをしているかもしれない。ごめんなさいね、いつものように心の中だけで謝ったけど、ダークマターに関しては何もフォローは出来ません。
 なんにも言わなくたって、会話が通ずること。頭に浮かんでいるものが、一致していること。わたしたちにとって、あたりまえのこと。
 それが嬉しい、なんて、今更すぎること。だから、笑みの理由を本心とすり替えた。
 しかめっ面の兄様もかわいくって。
 お前だけですよ、そんなこと言うの。
 本気で呆れられて、そのあと、やっぱり、笑われた。