「近くで見るとやっぱりそっくりだねー」
「わーほんとに双子だー同じ大学って珍しいね」
「なんで編入したの?」
「よろしく!」
「いつも一緒にいるよね、仲いい兄妹だなあ」
ええ、そうでしょう、双子ですから、まあ色々あったのでそれは追々、妹共々よろしくお願いします、はい、そうなんですよ、ええ。
人の良い笑顔で、にこやかに返したと思う。
円滑なコミュニケーションは欠かせない。もちろん自分のためではない。妹が不自由なく過ごすためには、必要不可欠なこと。
ゼミ生の中で、講義の被っている人だけでも先に挨拶をしておきましょう、と言い出したのは兄として当然の配慮であるし、
「えー妹ちゃん可愛いじゃん、彼氏は?」
「そうですね、妹と交際するというならば人柄と家柄が素晴らしくもちろん妹を一生不自由させない財力があり年はプラスマイナス五歳までかつ交換日記から始めてもらいましょうか。無論私を倒した後にな……」
もちろんこれも、兄として当然の配慮であった。
「うわっ本田めっちゃシスコンじゃん……」
「うわっガチなヤツじゃん……」
あちこちでドン引きする声が聞こえたが、私の耳には届かないのも同然だった。何故なら、
「も、もう! 兄様ったら! 兄様を倒せる人間なんてこの世界にいるわけないじゃないですかっ!」
「ふふふ、お前に彼氏はまだ早いということですね」
妹が照れ照れと兄を褒め称えてくれるので。
妹もブラコンじゃん、なるほどこういう双子か、うちのゼミ変なヤツ多すぎ、とモブ共が騒いでいるような気がしたが、まあ別に取るに足らない。
「あっえっと、すみません兄がいきなり変なことを……こんな兄と妹ですが、どうぞよろしくお願いします」
慌てたように取り繕う妹もまた可愛い。別に変なことは言ってなかったが。にこやかに挨拶をする妹は、どこに出しても恥ずかしくない。
深々と頭を下げた妹に、
「ええもちろん、よろしくお願いします」
「お前が言うのか」「本田じゃないだろ」「兄様」
――挨拶を返したら、総突っ込みをいれられた。何故。
Oct.23|Oct.25
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