第五十話 女性ウケしそうなアロマテラピーポプリ

 街に戻った俺たちは冒険者ギルドに向かいイビルプラント討伐完了の報告をした。
 ついでにドロップした魔石を見せたら意外と高値で買い取ってもらえることになったぜ。小さいし質もそんなに良くなさそうなのに1つ金貨4枚はおいしいね。
 今回もハナちゃん分は別途精算するし折半するぞ。
 数としては俺とスイが倒した分からが16個、フェルとドラちゃんが48個、ハナちゃんが9個だった。
 ハナちゃんもアイテムボックス持ちだけどフェルとドラちゃんは倒すのも早いしいちいち拾うのも大変だし、回収時点でそれぞれが倒した分として分けられるってことでフェルにマジックバッグを持たせたんだが、正解だったな。数え易い。
 今後も俺が不在の狩りの際はそうしてもらおう。
 魔石を9個出してこれだけ別に買取して下さいってお願いしたらちょっと不思議そうにされたわ。ま、まあとくに突っ込まれなかったのでよしとする。
 ってことでハナちゃんの報酬金額は金貨36枚。
『お納め下さい(ぺこり)』
「はい、確かに(ぺこり)」
 豪邸に帰ってから半分の18枚を渡して、18枚受け取りました。
 まあ、これもハナちゃん貯金行きですけどね。
 夕飯はみんな大好き地 竜アースドラゴンの焼き肉丼だ。
 今日のハナちゃんサラダは変化球で浅漬けです。今朝焼き魚定食のために買って食べたお新香が久々なのもあって美味くてさ、キッチンにせっかく魔道冷蔵庫もあるからって仕込んでおくことにしたんだよね。
 浅漬けの素を使えば簡単だし、パパパッとハナちゃんがきゅうりと生姜を風魔法でカットしてボウルに入れるだけ。
 やっぱこってりした丼物に漬物っていいよな。なかなか生姜が効いててピリッと辛めに仕上がってたけど、どこか落ち着く味だったぜ。
 夕食後はドラちゃんがみんなに自分のプリンを分け与えるっていうほっこりシーンがあったよ。
 俺は気持ちだけもらってお礼を言ったけど、同じように気持ちだけもらおうとしたハナちゃんは許されなかったのは笑った。『俺はハナのやつ受け取ったのにハナは俺のプリン受け取れないのかよ』っていうドラちゃんの言い分に『た、確かに……!?』って丸め込まれてたし。
 いいのかハナちゃんそれで。ハナちゃんがいいならいいけどさ。
 ドラちゃんなりにロールケーキのお返しがしたかったってことだよね。
 結局ハナちゃんはドラちゃんのプリンを半分こして食べてたよ。
『ありがとうドラくん、美味しいね』
『フフン、そうだろそうだろー?』
 うむ、俺の従魔たちが仲良しだしドラちゃんはイイ奴。
 ほのぼのとした食後風景に和みました。
 しかし今日は俺も戦闘に参加したから疲れたな。俺だけでも100体は倒せたと思う。
 倒して必ず魔石が出るってわけじゃないからハナちゃんも相当な数を倒したんだろうなぁ。レベルもかなり上がってたし。
 だからあんなに花が咲いちゃったんですが。
 大量に出来たドライフラワーは合計45Lのゴミ袋3つ分になった。麻袋だと取り出す時に引っ掛かって粉々になるといけないからな。
 アロマテラピーサシェを作る時に多少崩れるとは思うが、とりあえず綺麗な状態で保管しておいた方がいいよね。
 でもせっかく見た目も可愛いドライフラワーなのに袋詰めするのもったいないな。
 あ、そうだ。
 ネットスーパーを開いてお目当てを探す。お、あったあった。
「ハナちゃんハナちゃん」
『どうしました向田さん』
「ドライフラワーなんだけどさ、こういう蓋付きのガラスポットに入れたら見た目も華やかでよくない?」
『天才ですか?』
 ま、真顔で言われた。フフ、我ながら良案だったな。
 日用品のホーム&キッチンコーナーに良さそうなのが売っててよかったぜ。
 このキャンディーポットなんかガラスのカットも綺麗だし、薔薇も咲かせられるってわかったから、大きめの花をメインに入れたらインテリアにも良さそう。
 飾っても良し、蓋を開けて香りを楽しんで良し。
 ……ふと今ランベルトさんの奥さんのマリーさんが思い浮かんだ。あの人なら喜んで受け取ってくれそうだし、女性ウケしそうだよね。
 ガラスポットに入れたらポプリになるのかな?
 ってことはアロマテラピーポプリか。
 この世界でガラスは少し高級品みたいだし富裕層向けになりそうだけど、絶対綺麗だと思うんだよね。
 早速ハナちゃんは『ドライフラワー向けの薔薇を咲かせてみます!』って張り切って自分の部屋に戻って行ったよ。
 ハナちゃんに喜んでもらえて俺も嬉しいです。
 さて食休みもしたし、風呂に入ってくるか。明日はキュクロープス討伐に行くことになったから、さっさと寝る準備しないとな。
 風呂の順番は慎重に議論を重ねた結果、先に俺とスイとドラちゃん、後にハナちゃんが入ることになりました。
『水を足してぬるくしてしまうので、私は後の方がいいです』ってハナちゃんの意見には反対するところはとくにないし、俺の後に入らせるのは申し訳ないけどハナちゃんの後に入るのもそれはそれでなんかちょっと……アレなので……。

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